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2024.01.25 コラム記事

サルコペニア予防に重要なたんぱく質とその摂取方法について

筋肉の老化現象である「サルコペニア」の予防には、タンパク質を摂取することが大事だとご存じでしょうか?
サルコペニアは、何も対策をしなければ若い段階から少しずつ進行していきます。将来の健康のために、筋肉の健康をできるだけ維持しましょう。今回は、サルコペニアを予防するためのタンパク質の摂取方法について、具体的なポイントをご紹介します。

サルコペニアとその症状とは?

サルコペニアとは、加齢に伴う筋肉量の減少や筋力の低下、つまり「筋肉の老化現象」のことです。
とくに、「抗重力筋」と呼ばれる、姿勢を維持するのに必要な筋肉を中心に、老化が進行します。広背筋(背中の筋肉)や腹筋(お腹の筋肉)、大臀筋(お尻の筋肉)、膝伸筋(膝の曲げ伸ばしに使う筋肉)などが抗重力筋です。

「老化現象」と聞くと、50〜60歳ごろから始まるのかな?とイメージされるかもしれませんが、サルコペニアは、なんと30歳前後から始まります。そして、40歳ごろを境に筋肉量の減少は自覚を伴うようになり、60歳を超えるとそのスピードはさらに上がります。

疲れやすい、よくつまづく、といった些細な症状から始まり、姿勢がうまく取れずに転びやすくなり、時には骨折に至ってしまうこともあるでしょう。「最近何もないところでつまづく」という方は、筋力が落ちてきているサインかもしれません。
足腰の筋力が低下すると、外に出るのが億劫になったり、趣味の活動が制限されたりしてしまいます。
いつまでもご自身の趣味や人間関係を維持して楽しく過ごすために、サルコペニアの予防に取り組みましょう。

筋肉の老化ですから、サルコペニアの進行を抑えるには筋力トレーニングも重要ですが、もう1点、「タンパク質」を十分に摂取する必要があります。

サルコペニア予防のために必要なタンパク質の量とは?

サルコペニアを予防するために、十分な量のタンパク質を摂取できているでしょうか?年齢別に、必要な量を確認してみましょう。

ただし、腎臓の病気をお持ちの方、医師や栄養士から食事指導を受けている方などは、今回ご紹介するタンパク質量が適切ではない場合がありますので、ご自身の体のことを理解している主治医の指示に従ってください。

64歳までの方

19歳以上の全ての年齢層の方で、筋肉の維持のためには、体重1kg当たり0.66g以上のたんぱく質が必要です。これは、「最低限筋肉を維持する」だけの量なので、これより下回ると筋肉が落ちてしまうということになります。1日中ほとんど動かず座っているのであればこのくらいでよいかもしれませんが、立ち仕事の方や出勤などで歩く距離の長い方は、体重1kg当たり1.0g程度はタンパク質をとりましょう。

もう1つ、摂取するエネルギー(カロリー)からの割合で考える方法があります。タンパク質の摂取量は、摂取するエネルギーの35%未満までがよいとされています。一般的に、とくに激しい運動をしていないのであれば、通常は摂取するエネルギーの20%程度までを目標として設定することが多いです。つまり、1日に1600kcalが目安とされている方であれば320kcal、1日2000kcalが目安なら400kcalをタンパク質から摂取するということになります。

65歳以上の方

高齢になってくると、若い頃と同じ量のタンパク質をとっても、うまく筋肉を作ることができない、ということがわかっています。同じだけの筋肉を作るとしても、もっと多くのタンパク質が必要なのです。

65歳以上の場合、フレイルやサルコペニアの発症を予防するには、少なくとも体重1kg当たり1.0g以上のたんぱく質を摂取することが望ましい、と厚生労働省が定めています。つまり、体重が40kgの方であれば40g、体重が60kgの方であれば60gのタンパク質が、最低限必要ということです。

すでに筋肉の衰えを感じていて筋肉量を増やしたい場合には、体重1kg当たり1.5gまでタンパク質の摂取量を増やすことで、筋肉量や体の機能の改善がみられたという報告があります。ご自身の状態に合わせて、タンパク質の摂取量を調整しましょう。

とはいえ、ご高齢になるにつれ、たくさんのタンパク質(肉や魚)を食べるのが難しいと感じる方が増えます。それ自体は自然なことですので、「無理をしてでも、肉や魚をたくさん食べなければいけない」というわけではありません。他のタンパク質として、卵や大豆製品、乳製品も活用してみましょう。

どのくらいのタンパク質を取れているかチェックしよう

目標にする量がわかったと思いますので、ご自身が今、どのくらいのタンパク質を取れているのか確認してみましょう。タンパク質が40gというのは「肉40g」のような食材の重さという意味ではないので、注意してください。次に紹介する表を参考にしながら、ご自身のタンパク質摂取量が足りているかどうか計算してみてください。

食材タンパク質の量
かつお(刺身)5切れ(100g)25g
焼き鮭1切れ(80g)22g
ゆで卵1個(60g)7.5g
鶏もも肉1人前(100g)17g
豚ロース肉1人前(100g)18g
納豆1パック(50g)8g
ヨーグルト1個(100g)4g
チーズ1個(20g)3.5g
冷ややっこ1人前(1/3丁:150g)8g

タンパク質を取り入れるポイント

「タンパク質をもう少し取りたい」そんな方は、ここで3つのポイントをご紹介しますので、参考にしてみてください。

ポイント①毎食1品はタンパク質

あまりお腹が空いていない、準備がめんどう…いろいろな理由はあると思いますが、毎回の食事で必ずタンパク質をとるように意識してみましょう。

たとえば、朝ごはんは食パンとコーヒーだけ、ご飯に漬物だけ…というメニューになっていませんか?これでは、タンパク質がとれていません。

そこで、卵料理を一品追加してはいかがでしょうか。ゆで卵であれば、2.3日は冷蔵庫で日持ちしますので、作り置きも可能です。自炊をされるのであれば、目玉焼きや卵焼き、スクランブルエッグなどさまざまアレンジができるので、飽きずに続けられるのではないでしょうか。
自炊をあまりしない方は、ヨーグルトやチーズ、ハム、冷奴など、調理の不要なものを用意しておけば、手軽で続けやすいでしょう。

1日3回、タンパク質をバランスよく配分できるように工夫してみてください。

ポイント②スープにタンパク質を入れる

あまり何品もおかずを作るのは面倒ですよね。そういった場合には、スープにタンパク質を入れて、具沢山のおかずにするというアイディアを試してみてください。

たとえば、お味噌汁には豆腐や豚肉、溶き卵、鯖の水煮缶などを入れてみましょう。中華スープであれば、ベーコンや水餃子などはいかがでしょうか?

スープも、タンパク質を入れて野菜もいくつか入れれば、それだけで栄養たっぷりでお腹いっぱいになる1品になります。スープでタンパク質を取り入れる方法も、ぜひお試しください。

ポイント③間食でタンパク質を補給

間食をする習慣のある方は、間食の内容を少し変えてみるのもよいかもしれません。果物やケーキ、和菓子ではなく、タンパク質の含まれたものを選ぶのです。

たとえば、甘いものとして、プリンやヨーグルトはいかがでしょうか?甘いものを控えているのであれば、チーズや小魚、魚肉ソーセージ、かまぼこ、うずらの煮卵などもおすすめです。
ちょっとしたタンパク質を、冷蔵庫に準備しておきましょう。タンパク質は満腹感を得やすいという特徴があるため、少量でも間食として満足でき、肥満傾向の方のダイエットのためにもおすすめです。

まとめ

今回は、サルコペニアの予防のために重要な「タンパク質」の適切な摂取量や、摂取するためのポイントについてご紹介しました。
筋肉の衰えは、誰にでも訪れる自然なものですが、少しでも進行をゆっくりにし、元気に長く過ごしたいですよね。まずはご自身にとって必要なタンパク質の量を確認しましょう。不足分をプラスできるように、今回ご紹介したポイントを取り入れてみてください。

参考

・厚生労働省.日本人の食事摂取基準2020年版
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
・厚生労働省e-ヘルスネット:サルコペニア
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-087.html
・厚生労働省e-ヘルスネット:抗重力筋
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-093.html
・保健指導リソースガイド.高齢者でタンパク質が不足フレイル・サルコペニアを予防するためにタンパク質の摂取に工夫を
https://tokuteikenshin-hokensidou.jp/news/2020/009084.php