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​健幸情報

睡眠がメンタルヘルスに与える影響と睡眠改善の方法

更新日:5 日前

私たちの体と心にとって、睡眠はとても重要な役割を果たしています。

睡眠不足だと、疲れやすかったり、すぐにイライラしたりといった変化を感じたことは、誰しもあるでしょう。毎日を忙しく過ごす私たちにとって、しっかりと質のよい・時間としても十分な睡眠をとることは、必要不可欠です。


今回は、睡眠不足がメンタルヘルスに与える影響や必要な睡眠時間についてご紹介するとともに、睡眠の質を高める方法を解説します。ぜひ参考にしてください。




睡眠不足がメンタルヘルスに与える影響


「睡眠不足は健康に悪そうだ」と、なんとなくイメージのある方は多いと思います。体の疲れや頭痛などを実感した方もいるでしょう。ですが、体だけでなく心に与える影響も大きいということはご存知でしたか?まずは、睡眠不足がメンタルヘルスにどう影響しているのか、具体的に知りましょう。


イライラする


睡眠不足だなと自覚しているとき、「いつもよりイライラする」「なんであんなことで、怒っちゃたんだろう」などと思ったことはありませんか?

睡眠不足に陥ると、幸福感や喜びなどの前向きな感情が減って、少しの刺激やストレスでも怒りを感じやすくなることがわかっています。「今日は寝不足だ、眠い」という日には、仕事や学業などで取り組む内容を変更して、ストレスを少なくする必要があるでしょう。



不安・抑うつ症状が出る


日本でおこなわれた、睡眠と抑うつ症状に関する大規模な調査の結果をご紹介します。2559人の睡眠を調査したところ、睡眠時間が6時間未満で、布団の中にも6時間未満しかいないという場合には、うつ病を発症するリスクが高くなることがわかりました。


慢性的に睡眠不足の状態はもちろんですが、短期間の睡眠不足であっても悪影響です。国立精神・神経医療研究センターの調査では、1日8時間睡眠を5日間連続してとった場合と、1日4時間睡眠を5日間とった場合とで、脳の状態を比較しました。すると、睡眠不足が続いたときには、恐怖などの「ネガティブな情報」への反応が過敏になり、うつ病や統合失調症の患者と似たような脳機能の変化が見られたそうです。

短期間でも、睡眠不足は不安や気分の落ち込みなどに関与してしまうため、できるだけ毎日十分な睡眠をとるよう心がけましょう。


睡眠の役割と必要な時間


睡眠は、どのような役割を果たしているのでしょうか?また、どれくらいの睡眠時間が必要なのでしょうか?


睡眠の役割


睡眠中には、心身のさまざまなメンテナンスがおこなわれています。

第一に、疲労回復です。睡眠中にはどの年代の方でも成長ホルモンが分泌され、細胞のダメージを修復しています。また、記憶の定着も睡眠中におこなわれます。記憶の定着は睡眠の後半におこなわれるため、試験前など覚えたいことがあるときはしっかり長く眠ることが大切です。



そして、心の健康にとって大切な、「感情の処理」や「自律神経の調整」もおこなわれます。夜に夫婦喧嘩をしてイライラしながら眠ったけど、起きたらすっかり気分が落ち着いていた…なんて経験はありませんか?これは、睡眠中に感情が処理された結果です。 しっかりと睡眠をとることで、交感神経と副交感神経のバランスが整えられ、ネガティブな感情が抑えられます。睡眠不足に陥ると、体を活発に働かせるための「交感神経」が強く働き、動悸を感じたり、疲れているのに眠れなくなったりとさまざまな影響が出てしまうでしょう。

十分な睡眠をとって、心身のメンテナンスをすることが大切ですね。



必要な睡眠時間は?


睡眠が大切だということはお伝えしてきましたが、では、何時間睡眠をとればいいでしょうか?

人それぞれ、体内時計のリズムが違いますので、適切な睡眠時間も異なります。一概に「7時間がよい」などとは言えないのです。ただし、以下のチェックに当てはまるものが多ければ、睡眠時間が足りていないかもしれません。睡眠不足に該当する方は、質も時間も改善していきましょう。



<睡眠不足チェック>

・午前中のうちに眠くなる

・熟睡した感じがしない

・いつも疲れを感じている

・イライラ、不安を感じている

・休日は平日より2時間以上長く寝ている


また、年齢を重ねていけば、若い頃のように長く眠れなくなる、眠りが浅くなり途中で何度か目が覚める、早寝早起きになるといった変化が起きます。これらは誰にでも起こる自然なことですので、睡眠薬を使ってでも8時間ぐっすり寝なければ!などと心配する必要はありません。 たとえば21時に眠って4時に起きたら、「早すぎるからもっと寝ていないと」と思うかもしれませんが、すっきり目覚めていればかまわないのです。もし日中に眠気があれば、1〜2時間程度の短い昼寝をとりましょう。あまり長く昼寝をすると夜に眠れなくなってしまうので、昼寝の場合でも目覚ましをかけるのがおすすめです。



睡眠を改善するポイント


「しっかり寝ようと思っても、寝付けなくて」「時間は寝ているんだけど、眠りが浅い」など、睡眠でお困りのことはありませんか?今回は3つの改善ポイントをお伝えしますので、よりよい睡眠のため、参考にしてみてください。


①朝は日光浴を


質のよい睡眠をとるためには、朝の行動から考える必要があります。

睡眠のリズムを作るホルモンである「メラトニン」の材料は、「セロトニン」です。セロトニンは、目から日光を取り入れると分泌が活発になるという特徴があります。ですから、朝起きたらまずカーテンを開けて日光を浴びる、朝のうちに散歩をするなどの習慣をつけましょう。



そして、朝に分泌されたセロトニンは、14〜16時間経過するとメラトニンへと変化し、自然と眠くなるようになっています。朝6時に起きて日光を浴びれば、夜の8時〜10時頃に眠くなるということです。

②程度に体を動かす


「なかなか寝付けない」その原因は、体が疲れていないからかもしれません。

朝起きてからテレビを見て食事をしてゴロゴロして…と過ごしていては、どんな人でも眠くならなくて当然です。走ったり、ジムに通って筋肉トレーニングをしたりなどの本格的な運動をする必要はありませんが、ウォーキングやサイクリングなど、日常生活の中で意識的に体を動かしてください。


ウォーキングであれば、1日7,000〜8,000歩を目指しましょう。「全然歩く習慣がない」という方は、今よりもプラス2,000歩を目標にします。歩数計は数千円程度で手に入りますので、ぜひご購入ください。努力が数値で見えるようになると、やる気につながりますよ。

ご病気などで、医師から「安静に」と指示されているのであれば指示を守りましょう。


③休日に寝過ぎない


「疲れているから、土日は昼まで寝る、起きてからも布団の中にいる」という方はいませんか?こうした行動は日頃の疲れを取るために有効だと思っている方も多いですが、10時、11時まで布団でゴロゴロしながら過ごすのは、じつは睡眠の質にとってよくない行動です。


休日に12時間寝たからといって、月曜日に4時間睡眠でも平気というわけではありませんよね。いわゆる「寝溜め」は、あまり効果がないと考えられています。もし少し長めに睡眠をとりたい場合は、早く寝て、いつも通りに近い時間に起きるのがおすすめです。


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まとめ


睡眠は、私たちの心を安定させるために重要なものです。皆さんも、睡眠不足でイライラしたり、ネガティブな気持ちになったりした経験があるでしょう。睡眠不足が常態化すると、うつ病など精神的な不調の原因になってしまいます。

質の高い睡眠を、十分な時間とることが大切です。朝は日光を浴びること、日中は適度に体を動かすこと、昼までダラダラの「寝溜め」を避けることが大切です。今回ご紹介したこの3つのポイントを、取り入れてみてください。


参考

・厚生労働省. 健康づくりのための睡眠指針 2014

・厚生労働省 e-ヘルスネット:高齢者の睡眠

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