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​健幸情報

自然な方法で健康寿命を延ばすには?

更新日:4月5日

「できるだけ長く健康に過ごしたい」「ピンピンコロリが理想」そのようにお考えの方は多いでしょう。皆さんは、そのために何か取り組みをおこなっていますか? 健康を保つには、ほんの少しの心がけを長く続けることが大切です。何も気にせず好きなようにしていると、気が付かないうちに「健康によくないこと」をしてしまっているかもしれません。

今回は、健康寿命を伸ばすために、毎日の生活の中で取り組めるような自然な方法をご紹介します。

健康寿命とは?

まずは、健康寿命とはなんなのか、お伝えしましょう。

寿命は、生まれてから亡くなるまでの年数のことを指しますね。亡くなる前には、加齢や病気によって思うように暮らせない期間が生じることが多いです。健康寿命というのは、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」、つまり、自分らしく生活できる期間のことを指します。 日本は世界でも有数の長寿国ですが、ただ長生きするのではなく、できるだけ健康で元気に暮らすことを目指すために、「健康寿命」が着目されるようになってきたのです。

健康寿命と寿命の間は、「健康上に問題があり、日常生活が制限される期間」ということになります。その期間は、平均すると男性で約9年間、女性で約12年間にも及びます。

※厚生労働省.健康寿命の令和元年値について より

多くの方が理想として考える「ピンピンコロリ」を実現するには、健康寿命を伸ばすことが大切です。とはいえ、健康は一朝一夕で得られるものではありません。少しでも早い段階から、健康維持のために取り組みを始めていきましょう。

健康寿命を伸ばす方法

「これを毎日食べれば健康になる」「このサプリを飲むだけで病気にならない」そんな魔法のような方法はありません。少しずつ健康によい取り組みを習慣化させて、それを続けていくということが健康への近道です。

バランスのよい食事

健康のためには、必要な栄養素をしっかり摂取して、体重を適切にコントロールすることが大切です。お酒とおつまみばかり食べるようでは栄養が偏ってしまいますし、肥満や痩せすぎは健康によくありません。

少しでも多くの栄養素をとるため、次にご紹介する「食品摂取の多様性スコア」を活用してみてください。10品目のうち、1日で5品目以上は食べることを意識しましょう。7品目以上取り入れることができれば、とても素晴らしいです。

<食品摂取の多様性スコア> ・肉類 ・魚介類 ・卵 ・大豆、大豆製品(豆腐や納豆など) ・牛乳・緑黄色野菜 ・海藻類 ・イモ類 ・果物 ・油脂類(バター、炒め物など)

食べている品目数が多いほど、炭水化物(お米や麺類)の割合が減り、タンパク質をはじめとしてさまざまな栄養素を摂取できたことになります。

いろいろな食材を食べることで、筋肉の維持や認知症予防、お口の健康維持などに効果的です。カット野菜や缶詰、お惣菜、冷凍食品なども活用して、1日にとる品目を増やしましょう。

また、お年を召されてくると、肉や魚といったタンパク質の摂取量が減ってしまいがちです。タンパク質は筋肉の材料ですから、意識して食べなくては、筋肉の衰えを招いてしまいます。 肉や魚だけでなく、大豆、卵、乳製品なども重要なタンパク源です。肉や魚があまり食べられないという方は、豆腐や卵を料理に加えるほか、おやつにチーズやヨーグルト、かまぼこ、プリンなどを食べるのもよいでしょう。

※腎臓病や糖尿病などのご病気で、医師や栄養士から個別に栄養指導を受けている方は、そちらの指示に従ってください。

肥満の方や痩せすぎの方は、目標体重を確認してみましょう。40〜50代の方は、生活習慣病予防のために「痩せなさい」と言われてきたかもしれません。64歳までのBMI目標値は、20~24.9です。一方で、高齢者は筋肉量の低下や低栄養による悪影響の方が問題となるため、「BMI=21.5以上」が目標とされています。 適切な体重を維持できるよう、食事量を見直してみてください。

※BMI=21.5の目安

1日8,000歩を目指して歩く

運動も大切です。運動と聞くと、何かスポーツをしたり、ジムに通ったりするのかなとイメージするかもしれませんが、手軽にウォーキングからはじめましょう。

ウォーキングは、お金もかからず場所も取らない手軽な運動です。デスクワークの方、主婦の方などは、普段あまりたくさん歩いていないかもしれません。まずは、今ご自身が1日にどのくらい歩いているのか、確認してみてください。 スマートフォンやスマートウォッチで歩数を計測できますし、ベルトや靴につける万歩計も数千円程度で購入できます。数値が目に見えると、「もう少し頑張ってみようかな」という気持ちになりやすいので、おすすめです。

ウォーキングを日常生活に取り入れることで、内臓脂肪を減らす、血圧を下げる、血糖値を下げる、体力をつけるなど、さまざまなメリットが得られます。 1日8,000歩・1週間で56,000歩を目標に、歩数を増やしてください。今よりも1,000歩多く歩くだけで糖尿病の発症リスクが6%減少し、2,000歩増やすと12%も減少するそうです。また、1日の合計が8,000歩以上であれば、心筋梗塞や脳卒中などで死亡するリスクが半分にまで低下することがわかりました。

ウォーキングのためのまとまった時間がとれなくても、ちょっとした「スキマ歩き」の積み重ねでも問題ありません。同じような効果が得られるとわかっています。エレベーターではなく階段を使う、買い物には歩いて行くなど、ちょっとのウォーキングで歩数を増やすことが重要です。

ウォーキングの強度を上げたい場合は、以下のことを意識してみてください。 ①少しだけ早歩きする 息が軽くはずむくらい、歩きながらお喋りができるくらいが目安です。 ②歩幅を広げる 大きく一歩を踏み込むことで、自然にスピードが上がります。 ③フォームを意識する 腕を大きく振り、太ももを高くあげましょう。とくに、腕を後ろに引くことを意識すると肩甲骨を動かすことができ、上半身の筋肉へも刺激になります。

よく寝る

「寝る子は育つ」とよく言いますが、大人にとっても睡眠は大切です。睡眠の質が、生活習慣病や心の健康と関係します。

日本人は、世界的にみても睡眠時間の短い人が多いことで有名です。睡眠不足の日は、疲れがとれない、イライラする、頭が痛い…といった症状を自覚しますよね。それだけでなく、慢性的な睡眠不足は心身の健康に悪影響があります。

睡眠不足が続くと、肥満や高血圧、脂質異常症、糖尿病などあらゆる病気のリスクが高くなることがわかっています。そのため、最近では「睡眠障害」も生活習慣病の1つとしようという流れもあるほどです。さらに、うつ病(うつ状態)や不安障害、統合失調症といった心の不調のリスクも高まります。

一人ひとり、必要な睡眠時間は違いますので、一概に「何時間寝れば問題ない」とは言えませんが、睡眠時間を確保して質を高めるように改善していきましょう。

1つの目安として、「日中に眠くならない程度」の睡眠をとるようにしてください。ただし、ご高齢になればなるほど睡眠時間は短く、早く寝て早く起きるようなサイクルへ変化していきます。若いころのように長く寝ることができない、朝の早い時間に目が覚めてしまうのは、自然なことです。 そのため、一度に長く寝るのではなく、短時間の昼寝をまじえながら、体が疲れすぎないように調整してください。

周囲との関わり

健康寿命と「周囲との関わり」はあまり関係がないように思われるかもしれません。ですが、人との交流が生活にハリを与えてくれ、体を動かしたり出かけたりすることにもつながり、体力の維持向上にもメリットがあるのです。

仕事や育児に追われ、人付き合いが少なくなってしまったという方は少なくありません。退職したり、子どもが巣立ったり、パートナーと死別するなどして、急に寂しく感じられることもあります。 そんなとき、自治体の集まりや趣味のサークル、ボランティア活動などを通じて人との関わりを持つことで、新たな友人関係ができたり、やりがいや生きがいを見つけることができるでしょう。社会参加の多い人ほど、フレイルになりにくいことがわかっています。

「洗濯と庭の手入れは自分の仕事」のように、ご家庭の中で役割を持つことも大切です。人との関わりの中でご自身の役割があることで、生活への充実感が生まれやすくなります。

まとめ

今回は、健康寿命を伸ばすために日々取り入れられる、自然な方法を4つお伝えしました。

健康を手に入れるために、「これだけ食べればよい」など魔法のような方法はありません。日々のちょっとした積み重ねが、健康の維持向上のために大切です。栄養バランスを整えること、体を動かすこと、しっかり眠ること、社会参加をすることの4つのポイントを意識して、何か取り組みを始めてみてください。

参考

・厚生労働省e-ヘルスネット:健康寿命の定義と算出方法 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/hale/h-01-001.html ・厚生労働省e-ヘルスネット:高齢者の睡眠 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-004.html ・公益財団法人長寿科学振興財団.健康長寿ネット.社会参加と健康長寿 https://www.tyojyu.or.jp/net/topics/tokushu/kenkochoju-ikigai/shakaisankatokenkochoju.html


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