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​健幸情報

ストレスとメンタルヘルスの関係について

更新日:4月5日

「ストレスが心の健康に影響する」ということを、何となくご存じの方は多いと思います。あまりストレスを実感していなくても、知らず知らずのうちにストレスによって心身が疲れてしまっているかもしれません。 今回は、ストレスの実情についてお伝えするとともに、心への影響、ストレスを和らげるための方法についてご紹介します。

ストレスとは?

まずは、心身にとっての「ストレス」とは何なのか、みていきましょう。

30〜50代は仕事のストレスを感じやすい

厚生労働省によると、仕事によってストレスを感じる人の割合は年々増えていますが、とくに30〜50代は55%以上もの方がストレスを感じているそうです。

この年代は、責任のある仕事を任されるようになったり、部下を持ってマネジメントしなくてはならなくなったりと仕事の質や量が変化することが多くなります。昇進で悩んだり、定年後の生活について不安になったりすることもあるでしょう。仕事をしている方であれば、ストレスについて無視することはできません。

ストレスを完全にゼロにするというのは、現実的な目標ではありませんよね。ストレスを受けたとしても、それに気が付き、うまく対処していくことが必要です。

ストレスの種類

ストレスというと、「イライラする・焦っているときにストレスを感じる」というイメージの方が多いかもしれません。ですが、実際、ストレスの種類は多岐に渡るため、知らず知らずのうちにストレスに晒されているということも考えられます。

4種類のストレスについてご紹介しますので、ご自身の生活の中で「私にとってストレスになっている」と気がつくものがないか、確認してみましょう。

①物理的ストレッサー 実際に体で感じることができるストレスのことです。 たとえば、気温や光、音などによる不快感や、身体的な疲れ、病気による不調、睡眠不足などが物理的ストレッサーにあたります。光や音など、物理的ストレッサーは心がけ次第で緩和しやすいストレスも多いため、気がつくことがストレス緩和の第一歩です

②心理的ストレッサー 焦りや不安、いらだち、緊張など、感情の変化を伴うものが心理的ストレッサーです。たとえば、仕事のノルマによる焦り、誰かに強く叱責されることによる気持ちの落ち込みや不安、ペットと死別した悲しみなどが該当します。一般的に「ストレス」と聞いて思い浮かべるものは、心理的ストレッサーが多いのではないでしょうか。

③社会的・環境的ストレッサー 経済的な問題や老後の悩み、周囲からの期待、親の介護問題、引越しや転勤による環境の変化などもストレスとなります。

④化学的ストレッサー タバコ、アルコール、大気汚染、薬など、化学物質による体への刺激のことを化学的ストレッサーと呼びます。タバコやアルコールは、気分転換として取り入れている方も多いと思いますが、体にとってはストレスとなっていることがあるのです。

ストレスによる心への影響とその対策

ストレスは、実感しているかしていないかに関わらず、心への影響があります。

睡眠障害

睡眠障害には、寝つきが悪い「入眠障害」、眠りが浅く途中で目が覚めてしまう「中途覚醒」、朝早い時間に目が覚めて二度寝ができない「早朝覚醒」などのタイプがあります。ストレスを感じるとコルチゾールというホルモンが体内で増え、交感神経(体を興奮させる神経)が活発に働くようになり、眠りにくくなってしまうのです。

数日程度の「なんとなく寝付けない」などの不眠体験は、どんな人でも経験したことがあるでしょう。数日であっても、体のだるさや疲れ、イライラなどを感じたと思います。 これが続いて慢性的な睡眠障害になると、だるさ・意欲の低下・集中力の低下・抑うつ・めまい・食欲不振など、全身にさまざまな影響が出てしまいます。睡眠障害は、心の不調の入り口といえるでしょう。

ストレスを溜めないことも大事ですが、質のよい睡眠をとるために適切な生活を送ることも考えてみてください。

朝はできるだけ一定の時間に起き、太陽の光を浴びましょう。睡眠ホルモン「メラトニン」をよいタイミングで分泌させるには、朝からの行動が大事です。そして、日中は適度に体を動かしましょう。1日中テレビを見ていたり横になったりしていては、体が疲れないため、眠くもなりません。 寝室の湿度や室温は快適に保たれていますか?湿度が高すぎる、室温が低すぎるなど、環境が睡眠に適していない状態では、寝苦しさや中途覚醒につながってしまいます。

うつ・不安障害

うつや不安障害といった心の不調は、誰にでも起きうるもので、中高年での発症も少なくありません。強いストレスに長期間さらされ続けると、うつや不安障害などの心の不調を起こしてしまいます。 日頃からストレスに晒されていれば、ストレスに強くなると考えていませんか?じつは、近年、全く逆の可能性があるとわかってきています。幼い頃から強いストレスに長期的・反復的に晒されるとストレスに弱くなり、うつなどの心の不調をきたしやすくなってしまうのです。

うつ病は、気持ちが落ち込む・意欲が出ないといった症状が長く続きます。人は誰しも、1日の中で楽しい気持ちになったり、落ち込んだりと、感情の起伏があるのが自然です。ところが、うつ病やうつ状態の方では、ネガティブな方向の波が大きくなり、全体としてつらい時間が多くなってしまいます。一生の間で15人に1人がうつ病を経験するとも言われており、他人事ではありません。

不安障害は、過度の不安や心配によって日常生活に支障が出た状態を指します。何か特定の物事へ不安を感じることもあれば、うまく表現できない漠然とした不安を感じる場合もあり、人によってさまざまです。全体の5%前後の方が何らかの不安障害を抱えているともいわれています。

うつや不安障害といった心の不調をきたさないためには、ご自身のちょっとしたストレスに気がついて対処することが大切です。 ・よく眠れない ・人と話すのが億劫 ・楽しいことがない、何もしたくない このような兆候があれば、ストレス解消のために運動などで気分転換をしたり、思い切って環境を変えたりしてみてください。

アルコール依存・ギャンブル依存

ストレスを解消しようと、アルコールやギャンブルなどに依存してしまうこともあります。

アルコールは、少量で楽しんでいる分にはリラックス効果もありストレス解消によいかもしれませんが、以下のような行動を伴うようになれば「問題飲酒」です。 ・朝から飲む ・酔い潰れるほど飲む ・人間関係に問題が生じる ・健康問題が生じる そして、ストレス解消のためにアルコールを大量に飲んで依存すると、アルコールの離脱症状によってイライラするといった悪循環に陥ってしまいます。

ギャンブルは、勝ったときの高揚感で日々のストレスが一気に払拭されるように感じ、ハマってしまう方が多いです。ギャンブルを続けていると、次第に脳のなかで麻薬のように働いて、いつの間にか「やらずにはいられない状態」に陥ってしまいます。

アルコールやギャンブルに依存してしまっている場合、まずはその事実を認め、受け止めることが大切です。ご自身の意思の力だけで依存から脱却するのは非常に難しいので、専門家のサポートを受けましょう。適切な治療で、依存から抜け出すことができます。「依存症対策全国センター」のホームページから、専門の医療機関を検索することができますので、参考にしてください。

まとめ

今回は、ストレスの種類についてご紹介するとともに、ストレスによる心への影響と対処法を解説しました。 思いもしなかったものが、ご自身にとってストレスになっているかもしれません。ストレスに晒され続けていると、睡眠障害や心の不調、依存症などに繋がってしまうことがあります。まずはストレスに気がつくことが、対処のための第一歩です。ストレスに気がついたら、少しでも緩和させられるよう、対策をとりましょう。

参考

・依存症対策全国センター.全国の相談窓口・医療機関を探す https://www.ncasa-japan.jp/you-do/treatment/treatment-map/ ・厚生労働省e-ヘルスネット:不眠症 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-001.html ・厚生労働省.こころの耳.ストレスとは https://kokoro.mhlw.go.jp/nowhow/nh001/

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