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​健幸情報

若々しい人は歩き方が違う?「歩行」と健康年齢の関係

更新日:5月27日

歩き方で“実年齢”がわかる?


第一印象は数秒で決まると言われますが、実はその中でも大きな要素を占めているのが「歩き方」だとご存じでしょうか?


背筋を伸ばして颯爽と歩く人には、年齢に関係なく若々しさや活力を感じるものです。一方で、足取りが重く、前かがみの姿勢で歩く人は、実年齢よりも年上に見られがちです。実際、最近の研究でも「歩行速度」や「歩行姿勢」が健康年齢と密接に関係していることが明らかになっています。東京大学の高齢者研究チームの報告によると、歩行スピードが遅い人は、認知機能や筋力の低下が早く進む傾向にあるとされており、まさに「歩き方」は若さの“バロメーター”と言えるのです。


歩き方には、筋力や柔軟性、さらには神経系の働きまでもが関与しています。つまり、私たちが日常で無意識に行っている“歩く”という動作が、実は全身の健康状態を映し出しているのです。



歩行がもたらす全身の若返り効果


歩くことは、単なる移動手段ではありません。「歩行」は全身を活性化させる、最も基本かつ重要な健康習慣です。


まず、下半身の筋力を保つことは、転倒や寝たきりを防ぐうえで非常に重要です。特に大腿四頭筋や臀部の筋肉をしっかり使う歩行は、姿勢を支え、体のバランスを保ちます。また、一定のテンポで歩くことで脳の前頭前野が刺激され、思考力や判断力、記憶力の維持にも効果があることがわかっています。


さらに、ウォーキングはストレスの軽減にも有効です。歩くことでリズミカルな刺激が自律神経を整え、セロトニン(幸せホルモン)の分泌を促進し、気分の安定につながるとされています。このように、1日約30分程度の歩行は、体の各機能にとって“若返りのスイッチ”になるのです。



若さを保つ「歩き方」のコツ


「ただ歩けばいい」というわけではありません。若々しい印象を与える歩き方にはいくつかの共通点があります。ここではすぐに実践できる3つのポイントを紹介します。


1. 背筋を伸ばして、視線はまっすぐ前へ

猫背になっていると肺が圧迫され、呼吸が浅くなるだけでなく、気分も沈みがちになります。目線を少し先に置き、胸を開いて歩くだけで印象は大きく変わります。

背筋を伸ばすことでインナーマッスルが鍛えられ、腰痛予防にもつながります。歩幅を意識的に広く取ることで、自然と下半身の筋肉が活性化され、運動効果もアップします。


2. 腕をしっかり振ってリズムをつくる

年齢とともに腕の振りが小さくなる人が多くなりますが、これは歩行全体をぎこちなくさせ、エネルギー消費量も減ってしまいます。

腕を大きく後ろに引くようにして振ることで、肩甲骨まわりが動き、肩こり改善や姿勢の矯正にもつながります。また、腕の動きにより骨盤が自然に連動し、体幹バランスの強化にも効果的です。


3. いつもと違う道を歩く

慣れた道を歩くことに安心感はありますが、脳にとっては刺激が少ないものです。ときには遠回りをしたり、景色の違う場所を選んだりすることで、脳の海馬が刺激され、認知機能の維持にも役立つとされています。

さらに、風の音や花の香りなど、五感を使って歩くことで、マインドフルネスの効果も得られ、心が穏やかに整っていきます。



「歩く習慣」が人生を変える


たとえば、毎朝5分だけでも「姿勢を意識したウォーキング」を取り入れてみるだけで、1週間後には体の軽さを感じる方も多いです。歩くたびに全身の血流が良くなり、手足の冷えやむくみが軽減されることも少なくありません。


また、歩きながらアイデアが浮かんだり、前向きな気持ちになれたりするのも、歩行によって脳内の神経伝達物質が活性化するおかげです。著名な哲学者や作家が“歩きながら考える”ことを習慣にしていたというエピソードも多く、歩行は単なる運動を超えた、心身を整える深い営みなのです。


無理のない範囲で、しかし「毎日続ける」ことが大切です。時間がない日でも、階段を使ったり、バス停ひとつ分歩いてみたり、小さな工夫を積み重ねていきましょう。



さあ、歩くことで若さを育てよう


歩行という日常動作のなかに、私たちの健康と若々しさのカギが潜んでいるとすれば、今この瞬間からできることは無限に広がっています。未来の自分のために、今日の一歩を丁寧に。まずは1分でも、意識して「自分の歩き方」を見直してみませんか?その一歩が、10年後の健やかな人生へと繋がっているのです。



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出典・参考文献


塚尾 晶子

株式会社つくばウエルネスリサーチ 取締役副社長/筑波大学スマートウエルネスシティ政策開発研究センターアドバイザー/保健師

筑波大学大学院人間総合科学研究科博士課程修了 博士(スポーツウエルネス学)/ 専門領域はスポーツウエルネス学、保健学、人間環境学、公衆衛生学。

旭化成株式会社での産業保健活動、日本看護協会での健康政策の厚生労働省委託事業推進や保健師現任教育、法政大学での兼任講師等を経て、現職。地方自治体、企業等のSmartWellnessCity(健康都市政策)推進のコンサルティング、人材育成、国の調査研究事業等に従事し、国や地方自 治体や大学、企業と連携して健康づくり無関心層を減少させ健康格差を和らげる政策に取り組む。

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