筋肉は最高のアンチエイジング 50代からのやさしい筋活
- 健幸アンバサダー

- 7月21日
- 読了時間: 5分
更新日:7月22日
「老化=筋力低下」ではない
年齢を重ねると、「もう筋肉は衰える一方」と思っていませんか?実は、それは大きな誤解です。近年の研究では、年齢に関係なく筋肉は鍛えれば応えてくれることが明らかになっており、むしろ50代以降こそ「筋活(筋肉を意識した生活)」が必要なのです。筋肉量のピークは20〜30代で、何もしなければ年に1%ずつ減少すると言われています。特に下半身の筋肉は減少が著しく、つまずきや転倒、ロコモティブシンドロームのリスクにも直結します。

しかし安心してください。適度な筋刺激とたんぱく質摂取を継続することで、筋肉は何歳からでも増やすことができるのです。さらに、筋肉には「抗炎症ホルモン(マイオカイン)」の分泌を促す働きがあり、これは全身の炎症や老化スピードに影響を与えることが知られています。筋肉はただの“動力源”ではなく、“代謝や免疫をコントロールする臓器”としての役割も持ち合わせているのです。
筋肉がもたらす5つの若返り効果
筋肉は単なる“力”の源ではありません。全身の健康と若々しさを支える“最強の臓器”ともいえる存在なのです。以下のような効果が科学的に確認されています

代謝の向上
筋肉量が増えると基礎代謝が上がり、太りにくい体に。
血糖コントロール
筋肉が糖を取り込むため、糖尿病予防にも効果的。
ホルモン分泌の活性化
成長ホルモンやテストステロンなど若さに関わるホルモンが促進。
姿勢とバランスの改善
背中や体幹の筋力が整うことで猫背や転倒を防ぐ。
メンタルの安定
運動によって脳内のセロトニンが増え、うつ症状の予防・改善に役立つ(Craft & Perna, 2004)。
加えて、近年では筋肉が脳の健康維持にも影響していることが示されています。週に2〜3回の筋トレ習慣が、認知機能やワーキングメモリの向上に関連しているという報告もあり、まさに「動けば脳も若返る」のです。
初心者でもできる!やさしい筋活3ステップ
「運動は苦手」「何から始めていいかわからない」という方のために、負担なく始められる筋活の3ステップをご紹介します。
1. まずは「ながらスクワット」から
テレビを見ながら、歯磨きしながら、1日5回×3セットを目安にスクワットを習慣化。膝を曲げる角度は90度未満でOK。背筋を伸ばして、お尻を少し引くイメージで行うと安全です。続けることで、階段の上り下りや長時間の立ち仕事もラクになります。
2. タンパク質をしっかり摂る
筋肉づくりには栄養も不可欠。特にタンパク質は「毎食20g程度」を目安に、肉・魚・卵・大豆製品を意識しましょう。朝にプロテインドリンクを取り入れるのも手軽で効果的です。
さらに、ビタミンDや亜鉛、鉄分といったミネラル類も筋合成に関与するため、バランスの良い食事が重要です。
3. 毎日の歩行を“筋トレ”に変える
歩くときに「歩幅を広く」「腕を大きく振る」「坂道を選ぶ」など、少しの工夫で日常が筋活の場に早変わり。1日合計20分でも続ければ、十分な効果が期待できます。万歩計アプリやSNSでの記録共有などを活用すれば、モチベーション維持にもつながります。
継続こそが“筋肉の貯金”になる
筋肉は、つけるのには時間がかかるのに、衰えるのはあっという間。だからこそ、大切なのは「習慣にすること」です。最初は週2〜3回でも、継続することで少しずつ体が軽くなり、姿勢が整い、活動量が増えていきます。そしてその積み重ねが、自信や活力となって全身にあらわれます。
また、筋肉が増えることで「転ばない」「疲れにくい」「姿勢が良くなる」といった体感的なメリットが感じられやすくなり、結果的に“もっと動きたくなる”好循環が生まれます。
今ある筋肉を守りながら、未来の自分に“筋肉という財産”を残す。それが50代からの賢いアンチエイジングです。
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毎日の体操があなたの未来を変える
毎日の運動の積み重ねが、心と体を大きく変えていきます。運動習慣をつけてスマートウエルネスライフを実現しましょう。
毎日の健幸維持のためオリジナル体操プログラムをつくりました。監修いただいたのは2004年アテネオリンピック体操団体金メダリストで体操競技元日本代表監督の水鳥寿思さん。アンバサダーとして健幸を維持するために、大切な人の健幸のためにも。手軽にできる体操ばかりなので是非実践してみてくださいね。健幸体操はこちらから
出典・参考文献
厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」 https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001171393.pdf?utm_source=chatgpt.com

塚尾 晶子
株式会社つくばウエルネスリサーチ 取締役副社長/筑波大学スマートウエルネスシティ政策開発研究センターアドバイザー/保健師
筑波大学大学院人間総合科学研究科博士課程修了 博士(スポーツウエルネス学)/ 専門領域はスポーツウエルネス学、保健学、人間環境学、公衆衛生学。
旭化成株式会社での産業保健活動、日本看護協会での健康政策の厚生労働省委託事業推進や保健師現任教育、法政大学での兼任講師等を経て、現職。地方自治体、企業等のSmartWellnessCity(健康都市政策)推進のコンサルティング、人材育成、国の調査研究事業等に従事し、国や地方自 治体や大学、企業と連携して健康づくり無関心層を減少させ健康格差を和らげる政策に取り組む。








